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■エリート意識は、人を見下し自分を守ることに命を張るテレビのサスペンスによく見られるケースで、犯人はエリートといわれる医者や弁護で殺人を犯すが、追い詰められると「あんなくだらない奴、生きている価値なんかない。 わたしには将来がある。 あんな奴に将来を崩されたくなかったから殺したのだ」と勝手な理屈を言っています。 ところが、これはドラマや小説の世界だけのできごとではありません。 エリートは、エリートゆえに殺人を犯す動機がある場合があります。 エリートでも、祖父母、両親ともにエリートの名門出身で、なるべくしてなったエリートの場合は、こういうケースは少ないと思われます。 問題は、苦労をして成り上がったエリートの場合であります。 成り上がるためには、臥薪嘗胆、いろいろなことに耐えてきたはずです。 その苦労を支えたのは、「いまに見ていろ」という反発心と権力、金銭、名誉欲です。 苦労が実ってしかるべき一流大学に入学し、医師や弁護士へとすすみ、地位と名誉を得られたら、そのときはゆがんだ人間性が出来上がっていることでしょう。 このタイプのなかには、自分が成功し、成り上がるためには手段を選ばない人がいます。 勝てば官軍という発想しかありません。 だから、いったん地位や名誉を得たら、自分より地位が下の人を徹底的に見下します。 こういう人は、もし、自分の地位や名誉が危うくなったとき、どういう手段を使っても守ろうとします。 その果ては、殺人まで犯しかねないのです。 人のプライド、とくに苦労を積み重ねてきた超エリートのそれは、それほどまでに強く、手放したくないものであることを知っておくべきでしょう。 |
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