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人間関係を変える高等心理術(6記事)





相手の同情を引く「アンダードッグ効果」


わざと自分の「弱さ」を見せつけて同情させ、戦意をくじかすためには、目的のためにプライドをも捨てる勇気を持つことが必要です。

★ プライドの高い人や社会的地位のある相手に有効


「アリストテレスの3原則」を駆使したとしても、なかなか説得に応じない手強い相手にはどうしたら言いのでしょうか?

そんな時は3原則の中でも正攻法のロゴス(論理)で崩すのは難しいので、パトス(感情)に強く訴えるほうが効果的です。

選挙では「同情票」という言葉があります。明らかな劣勢が予想されたり、身内の不幸など何らかの不幸な境遇におかれたりした候補者が、意外とも思える得票で当選するケースは珍しくありません。

人には「不利な状況にあるものに手を差し伸べたくなる」という心理が働くからです。これを心理学では「アンダードッグ効果」と呼びます。「負け犬」は可哀想だから、これ以上いじめてはいけないと思ってしまうことが語源です。

ある営業マンが、営業先から何度も断られているにもかかわらず、健気に足を運んでいました。そしてある日、突然の大雨でずぶ濡れになって訪問したときに、ついに相手が根負けして契約が取れたという例も、このアンダードッグ効果によるものです。

社会的地位が高い人や、自尊心の強い相手には、わざとこちらの「弱さ」を見せることで相手の戦意をくじき、結果的に思惑通りに誘導することもできるのです。目的のためにプライドを捨てられる人しか使えない戦術ですが、平気で弱い自分を見せることができるのは、ある意味で「強い人」だといえるでしょう。


その気にさせる「ラベリング効果」と「ピグマリオン効果」


★ イメージを植えつけて相手を変えていくラベリング効果

戦場の部下にしろ、わが子にしろ、「人を成長させる」ことは容易ではありません。「頑張れよ」と励ましても、「ダメじゃないか!」と叱っても、なかなか成果が出ない・・・。そんなときに試して欲しい心理テクニックが「ラベリング効果」です。これは、相手に望むイメージの「ラベル」を貼ることで、次第に変えていく操作術です。

たとえば、部下が報告書を上げてきたときに「おお、君は報告書をまとめるのがうまいな」とほめるのです。実際には普通の出来だったとしてもOK。相手はほめられて嬉しいはずです。「オレはまとめるのがうまいと思われているようだ」と自覚すると、以降は貼られたラベル通りに行動しようと、うまく報告書を書くことを意識します。

人に認められたいという「承認欲求」は、人が自然に抱く心理です。「まとめるのがうまい」というラベルを先に貼ってしまうことで、「認められた」という承認欲求を満たしてやる気につなげ、いつの間にか成長させることができるのです。

★ 大きな期待をかけて人を育てる、ピグマリオン効果

これに似たテクニックとして、「ピグマリオン効果」も覚えておきましょう。これは1964年にアメリカの教育心理学者・ローゼンタールが提唱したもので、「ローゼンタール効果」とも呼ばれます。周囲からの期待により、人の知能や学習意欲が高まるという学説です。

ローゼンタールが行った実験では、小学校の教師がある児童に対して「君は学力が伸びる可能性が高い」という期待をこめて教えたところ、学力を伸ばす効果が上がったことを実証しました。この実験そのものには異論を唱える学者もいたのですが、教えられる側は期待されたほうがより頑張れるのは自然なことだと考えられます。

ピグマリオン効果とは、ギリシャ神話に登場するキプロス王の名前。精魂込めて象牙で作製した女性の像の美しさに、「こんな美しい人が実在して、私の妻になってくれたら」と、王が願いを込めたところ、愛の女神アフロディーテが像に生命を与え、王の夢がかなったという逸話が語源です。

★ 否定されれば意欲を失うが、期待をかけられると頑張れる

「君はまだ結果を出していないが、このチームには君の力が必要なんだ。必ず結果を出してくれると私は信じているよ」とか、「君は本当にいつも仕事が丁寧だね。スピードが遅いことを気にしているようだけど、必ず速くなると私は思っているよ」などと、ダメな部下でもこのように期待を込めてフォローを続ければ、彼らが前向きに仕事に励んで、言葉どおりに成長してくれる可能性は大いにあるでしょう。

子どもも同じです。成績が悪い子に「お前は本当にダメだなあ」などと言ってしまうと、勉強する意欲がなくなり、成績が上がる見込みはないでしょう。「英語はダメでも、国語はいい成績じゃないか。お前は必ず伸びるはずだよ」と期待を込めて応援してあげることで、成績アップに導く可能性が広がるのです。


相手を揺さぶって有利に運ぶ「コンコルド効果」


最終段階でドタキャンを匂わせると、強気で進められるため、費やした時間が長いほど、コンコルド効果の威力が増します。

★ 積み重ねてきた努力をムダにしたくなくて判断を誤る


2003年に姿を消した超音速旅客機「コンコルド」は、たとえ完成して就航しても、赤字がかさみ、収益が出ないことは開発段階から明らかでした。それでも、英仏両国が巨額な開発費を投じていたため、計画を中止することができず、赤字になるとわかっていた上で就航していたのです。結果、飛ばすほどにコストばかりが重なり、結局は運航中止に追い込まれてしまいました。

そんな逸話から、心理学にも「コンコルド効果」という用語があります。積み重ねてきた努力やコストが大きいと、それまでの労力をムダにしたくないという執着心が生まれ、損得の判断を見誤ってしまう心理を指します。
たとえば、以下の自動車のセールスマンAと客Bの会話。

B「本当に申し訳ない。今回の新車の契約はできなくなった。息子が公立高校の受験に失敗して私立に行かせるので、家計が火の車なんだよ・・・」
A「えっ。しかし、今キャンセルというのはあまりにも・・・・」
B「こういう事情だから、何とか納得してよ。まあ、値引率をアップしてくれるんなら考えてもいいけど」
A「いや、わかりました。5パーセント引きます。それで何とか契約を!」
契約寸前でドタキャンされそうになり、思わず値引きしてしまったという訳です。

コンコルド効果は、それまで費やした時間が長いほど効果的なので、試してみましょう。


集団心理活用術「バンドワゴン効果」と「スノッブ効果」


人は、多数派になびくか、常に少数派につくとに分かれるものですが、普段の言動を観察し、言葉を変えて誘導法を使い分ける必要があります。

★ 集団心理に引きずられる人とそれを嫌う人に分かれる


「同調性思考」に示されるように、人は集団心理に引きずられることが多々あります。自分の意志や主義に反することでも、周囲の人につい合わせてしまうのです。日本人は特に集団心理に弱いといわれます。協調性が重んじられる日本では、自分が仲間はずれになることを多くの人が嫌うためです。

そんな集団心理の代表格が「バンドワゴン効果」と呼ばれるものです。パレードの戦闘で音を鳴らす楽隊車が語源で、多数派の意見に流され、流行に便乗してヒット商品に群がる心理を指します。「社会的証明」も、バンドワゴン効果が作用したもの。

選挙でバンドワゴン効果が発揮されると、「アンダードッグ効果」とは逆に、「圧倒的に優勢で勝ちそうな候補」に投票する減少が見られます。
ただし、天邪鬼な人などは、バンドワゴン効果に常に反する行動を見せます。時勢に乗ることを嫌い、わざと少数意見になびくのです。これを「スノップ効果」と呼びます。

相手の普段の言動を見ていればどちらが有効かがわかるので、誘導するのは簡単です。「来週の飲み会、みんな参加するみたいだよ」と言えば、多数派につくバンドワゴン派は傘下するはずだし、スノッブ派を参加させたいのなら、「来週の飲み会、参加する人が少ないみたい。オレ、どうしようかな」と言えば、ほぼ確実に参加するでしょう。



「ハロー効果」でイメージ操作


外見的要素や性格的要素を駆使して、イメージアップを図る。自身にアピール部分がないなら、身近な人のいいイメージを借用する。

★ 多くの人は目に見えるものだけで人柄まで判断してしまう


多くの人は、相手の容姿や身なりといった目に見える一面的な要素だけで、人を勝手に判断してしまいがちです。「ユニフォーム効果」もその一例ですが、美人やイケメンが得をするのも、彼らの外見の美しさが、人物像全体のイメージまで向上させてしまうからです。心理学では、これを「ハロー効果」と呼びます。

美人やイケメンでなくても、スーツやとゃつを清潔に着こなしていれば、ビジネスでも好感がもたれるし、逆に「ネガティブ・ハロー効果」も作用するので、だらしない服装で仕事をしていれば、それだけで「ダメなヤツ」と判断されてしまうのです。

ハロー効果は、必ずしも外見的要素だけではなく、社会的要素や性格的要素でも、自分のイメージを操作して相手に伝えることが可能です。「英会話が得意」というだけで「仕事ができるに違いない」と思い込まれたり、「中学時代は生徒会長だった」と言えば「リーダーシップがありそう」と勝手に判断されたりするので、使わない手はありません。

自身のことでなくても「親類が大企業の役員だ」とか、「従兄弟が東大卒」などのフレーズも、「家柄がよさそうだから、この人もデキるかも」と思い込ませる効果があります。

自身にアピール要素がなくても、親類や知人にすごい人がいることを匂わせ、「借用的」な形で自分のイメージを上げてしまうのも、ハロー効果のブラックな活用術です。


「バーナム効果」は悪魔の囁き


★ 相手の本質を言い当てたように誤解させるフレーズ


誰にでも当てはまるような曖昧なフレーズによって、「これは私のことだ」と錯覚させる心理術が「バーナム効果」です。相手は自分の本質を言い当てられたと思い込むので、その人のことを「特別な人」だと思ってしまうのです。たとえば、次のようなフレーズが当てはまります。

「あなたは自分に対する自信のなさを隠していて、それでも他人に認められたいと思っています。そして、そんな自分に悩み、自分を変えたいと思っているでしょう」。こういわれたら、たいていの人は「当っている」と感じるのです。

自分に100パーセントの自信を持っていて、まったく変わる必要がないと言い切れる人など滅多にいません。このバーナム効果を使えば、誰でも占い師のようになれます。たとえば、身近な友人に対して、あなたがバーナム効果を巧みに使いこなし、本質を言い当てたように振る舞えば、「どうしてわかるの?占い師みたい」と言われることでしょう。実際に、プロの占い師たちの中にもバーナム効果を活用している人がいるそうです。

★ 「ロマンチスト」「純粋」は効果抜群のワード

バーナム効果を利用すれば、相手に好感を抱かせることも可能です。たとえば、「あなたは現実主義者に見えるけど、意外にロマンチストだよね」と言われたら、相手は「もしかしたら、そうかもしれない」と思います。どんな現実主義者であっても、ロマンチストのかけらくらいはあるもので、こう言われたら誰でも悪い気はしないのが普通です。

また、「ごめん。どうやら僕は君のことを誤解していたかもしれない。君って、本当はすごく純粋な人だよね」。これもバーナム効果を狙ったフレーズです。どんな人にも純粋な一面があるものだし、特に女性は自分のことを「純粋」と言われたら否定はしないでしょう。普段は無愛想な人や、勝気な人にこの言葉をかけると効果です。「この人は私のことを深く見ていてくれる」と感じて、あなたに好感を持つはずです。

実は万人に当てはまる言葉なのに、「自分のことを言い当てた」と感じさせるバーナム効果は、まさに悪魔の囁き。高度なテクニックのように思えますが、フレーズを丸暗記すれば、意外に簡単に使いこなせるのです。

たとえば、「あなたには、まだ自身でも気づかずに、生かし切れていない才能があります」というフレーズが好例です。「自身が気づかない隠れた才能」が当人にあるかどうかは、誰にも証明しようがありません。ですが、「自分には隠れた才能が眠っている」と多くの人は信じたいため、「この人は私のことを見抜いている」。特別な人だ」と誤解するのです。

あい心的に弱っているとバーナム効果は倍増します。そのタイミングを見計らい、本質を見抜いたフリをしてこのような言葉をかければ、効果テキメン。相手は必ずあなたを信頼するはずです。





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