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人を操ったり、操られないための心理法則T(3記事)





「一貫性の原理・法則」一度決めたことは変えたくない


@ 一度決めたことは変えたくない「一貫性の法則」

人は「自分で決めたこと」に対して矛盾した行動は取りたがりません。「自分で決めたんでしょ」と言って、巧みに操ることができる。

★ 言動や行動をブレないようにしたがるのが人の心理
人は誰しも「ブレない人間でありたい」という心理を常に持っているものです。「自分の言動や行動を筋道が通るようにしたい」と思うため、「あの人は言っていることとやっていることがまるで違う」とか、「以前言っていたことと逆のことを言っている」などと思われたら、普通の人は恥ずかしいと感じるでしょう。

この心理を社会心理学者・チャルディーニは「一貫性の法則」だと説きました。言うこととやることがブレまくっていたら、人としての信用にかかわるので、そうならないように意識している人が多いはずです。言動に一貫性を持たせること自体は悪いことではありませんが、実はこの一貫性の法則を逆手にとって人を誘導することも可能なのです。

★ 詐欺犯罪や悪徳商法などに悪用されることもある
たとえば、あなたがある商品の購入を決めたとします。ところが、いざ買おうとしたら、店員に「お客様。申しわけありません。こちらは在庫切れで再入荷が未定となっております。

ですが、同ブランドのこの商品でしたらすぐにご用意できます」といわれました。この場合、買おうとした商品より少し高価であっても、多くの人は一度買うと決めたために、高い商品でも買ってしまうことが多いのです。このようなケースで、飼うのをやめるという決断をしにくいのも、一貫性の法則による心理なのです。

この心理は、詐欺や悪徳商法などに使われることもあります。たとえば、最初に異常に安い値段を提示して買う気にさせた後、「この値段で売るには条件があります」などと高額なオプションをつけ、結果的に不当に高いものを売りつけてしまうという手口です。一度買うことを決めてしまうと、「それは高いな」と思っても断りにくくなってしまう心理につけ込んでいるのです。

★ 誘導するにはハードルをいきなり上げないことが重要
この法則を活用すれば、「一度決めた態度を崩したくない」という心理に相手を追い込み、こちらの都合のいいように誘導することが可能になります。たとえば、「悪いけど、1000円貸してくれない?」と頼まれ、いったん応じたら、「あ、ごめん。やっぱり3000円借りてもいいかな?」と金額を上げられても、たいていの人は「それならダメ」とは言いにくいものです。

途中から、「話が変わってきたな」と気づいたとしても、「さっき、いいち言ったじゃないか」と言われたら、「やっぱりやめる」とは言うのは勇気を必要とします。ただし、この法則を使うときにいきなり頼みごとのハードルを上げすぎてしまうと、さすがに相手は断りやすくなるので、そのさじ加減がポイントになります。

とにかく、「他人から強制させたことには反抗しやすいが、自分で決めたことに対しては、なかなか矛盾した行動が取れない」のが一貫性の法則。これを巧みについて「あなたが自分で決めたことですよ」と強調すれば、うまく誘導できるでしょう。

A スタンスを変える勇気が「一貫性の法則」に勝つ】
自分の身を守るためには、途中でスタンスを変える勇気を持つことが大切で、話が怪しくなってきたら、一貫性を放棄することを宣言しよう。

★ カルト教団や悪徳セミナーのワナには要注意
人を操る心理テクニックを知ることは、「他人に操られることを防ぐ」効果もあります。このテクニック派、詐欺師などが悪用することもあるので、他人に操られることがないように常にケアしておくことは自分の身を守るためにも重要です。

たとえば、「一貫性の法則」は、カルト教団や怪しげな自己啓発セミナーでも多用されました。悪徳団体は、言葉巧みに被害者から多額の財産を吸い取りますが、常套句として「あなたが自分で選んだ道です」と強調します。

被害者は「自分で選んでしまった」と思い込まされているので、その事実に追い詰められるのですが、途中で「おかしい」と気づいた時点で、そこから抜け出すことは可能なはずです。

しかも、ある程度の財産を吸い取られていると、「コンコルド効果」も作用し、「今やめても損をするだけだ」と思ってしまうので、一貫性の法則から逃れるのがより難しくなります。

ここで大切なのは、スタンスを変える勇気を出すことです。「フット・イン・ザ・ドア」と連動した悪徳商法もあり、手軽な値段だからと購入を決めてから、高額なオプション契約が必要などと称して、結果的に大金をむしりとるのです。この場合も、一貫性を放棄し「だったらやめます」と言い切ってしまいましょう。



「返報性の原理・法則」つい、お返ししたくなる


@ つい、お返ししたくなる「返報性の法則」

人は自分だけが得をすることについて負い目を感じるものです。その心理を利用したプレゼント作戦で、相手を誘導できる。

★ 何かをもらった人は、お返しをしないと不快に思う
アメリカの有名な社会心理学者であるチャルディーニが書いた『影響力の武器』という本があります。広告やセールスマンの使う心理テクニックの解説が主な内容ですが、たとえば、「返報性の法則」が紹介されています。

これは、「人は相手に何かを与えられると、お返しをしたくなる」という心理を表しています。スーパーの食品売り場で試食をしたときに「買わないと悪いかな」と思ってしまうような審理です。

営業マンなどが、サービスで販促品などを無料でプレゼントするのも、この心理を応用して買ってもらおうとしている訳です。人は、原則的に「自分ひとりが得をし過ぎると居心地が悪くなる」のです。

この心理を利用して他人を強引に操ることもできます。実際に「返報性の法則」につけ込んだと思われるような詐欺事件がありました。山奥の二束三文の土地を高額で売りつける「原野商法詐欺」では、「旅行接待」という手法で、土地の下見と称して客を温泉宿に連れて行き、盛大にもてなしたのです。

無料で旅行させてもらった負い目から、つい土地を購入してしまった多くの人が、後で泣きを見た訳です。このような犯罪はいけませんが、ちょっとしたプレゼント作戦で相手を自分の思い通りに誘導することも不可能ではありません。ただ、「もらい慣れている」人にはあまり効果はのぞめませんが・・・。

A 八方美人をやめて「返報性の法則」に勝つ!

★ 「いい人だと思われたい」という心理につけ込まれると危険

「返報性の法則」は、「他人に親切にされたり、何かをもらったりしたらお返しをしたくなる」という心理です。このこと自体は社会生活上で、むしろ当然ともいえるために、逆につけ込まれるリスクもあるのです。

多くの人は、「いい人でありたい」と思っているもので、「いい人だと思われたい」というしなりにつけ込まれると意外にもろいのです。たとえば、「貴金属買い取り詐欺」においても、返報性の法則が悪用された事例があります。

貴金属買い取り詐欺は、家庭内の不要な貴金属を買い取る名目で個人宅を訪問し、不当に安い金額で買い上げたり、逆に手数料と称して費用をだまし取ったりする犯罪です。詐欺師にとっては、家に上がりこむのが難しいのですか、「地域の皆様に牛乳をお配りしています」という触れ込みで家に上がり込み、「ところで、お宅に不要な貴金属などありませんか?」と詐欺に移行する手口がありました。

その地域には牧場もあったため、牛乳の無料配布と言えば、不自然には思われなかった訳です。牛乳をもらったことで、負い目を感じたせいか、被害者たちはコロッとだまされてしまいました。この手法は牛乳を野菜や珍味などに置き換えても成立するため、手口が広がったとされています。

★ 「みんなにいい人と思われなくていい」という心構えが必要
この場合、牛乳一本とはいえ、無料でもらったために「話を聞いてあげようか」と、被害者の心理に返報性の法則が作用してしまうのです。返報性の法則を悪用するワナに陥らないためには、「すべての人にいい人と思われなくていい」という心構えが必要です。そもそも、誰からもいい人と思われる必要はないはずです。みんなに好かれようとすると、いわゆる「八方美人」になってしまい、むしろ嫌われてしまうでしょう。誰にでもいい顔をするのは感心しません。

★ よく知らない人からの高額な贈り物は断るのが鉄則
デパートやスーパーの食品売り場で試食をしたときでも、本当に気に入って、欲しいと思ったときだけ買えばいいのです。セールスで粗品などをもらった場合も同様で、「何かもらったから話を聞いてあげないと悪いかな」と思い込む必要はありません。

また、よく知らない人から高額な贈り物をもらったりするのは、その時点で怪しいと思うべきです。「うまい話はこの世にない」が鉄則と思って、そういう話をもってくる人は悪人である可能性が高いと判断し、その場で断ったほうが無難です。

本当に確かに親切にされたのなら、言葉でお礼を言えば問題ないはずです。住所がわかる人なら、感謝の言葉を書いた礼状を送ることで謝意を伝える方法もあります。本当に親切な人なら、金品などの見返りを求めないものだし、もし要求してくるなら、それは不自然です。相手の善意をしっかり見極める目も必要になるでしょう。


「社会的証明の法則・原理」周囲の意見に流される


@ 社会的証明の法則

周囲の人の意見につい流される人が大多数いますので、「みんながこうしている」と言って、同調させることができます。

★ 世の中の風潮に迎合して同調してしまう人が多い

「身の周りの人が評価しているものや人物のことを、つい信用してしまう」のが「社会的証明の法則」です。周囲に迎合してしまうクセのある日本人は、特にハマりやすい傾向があります。日本人に限らず、人は判断に困った場合に、往々にして他人の行動を参考にして決断することが多いものです。

世の中の風潮につい同意して、「あの芸能人は嫌い」とか、「あのドラマはつまらない」などと言う人は多いはずです。誰かが世間で叩かれていると、それまで悪い印象を持ってなかったとしても、つい他人に迎合して悪口を言ったりするのです。

「みんなが買っている品物ならきっといいものだろう」と思い込んでしまう場合もあり、テレビショッピングで「注文が殺到しています」などとテロップが出るのは、社会的証明の法則に基づいた「誘導」なのです。

店の前にサクラの行列を並ばせる手法なども、この応用と言えるでしょう。周囲に流されやすいという心理は、人を騙すときにも悪用されます。投資詐欺や怪しげなマルチ商法で、「大勢の人が申し込んでみんな儲けている」と思い込ませる手法が使われました。結局は、この心理を逆手に取った悪質な犯罪なのです。

つまり、この法則を利用して、「みんなが、これにハマっているらしいよ」とか、「すごい評判になっている店があるんだけど、行ってみない?」といった言い方で誘いをかければ、相手に「YES」と言わせる可能性がグッと高くなるのです。

A 疑いの精神で「社会的証明の法則」に勝つ!
他人と異なる行動をすることをおそれず、疑ってかかる精神を持ち、「価値観の違い」を主張しよう。

★ おかしいと感じても、周囲の人につい同調してしまう

世の中で流行しているものや、社会的に認められていることに同調しておけば安心というのが、「社会的証明の法則」。自分の判断に自信がない場合に、「みんながやっていることだから」「ランキング上位の商品だから」と手を出してしまうのです。

気持ちは理解できるのですが、他人と同じ行動をしないと不安になる心理が高じると、周囲の人がおかしい行動をとった場合でも、「同調性思考」「バンドワゴン効果」が作用して、おかしいと思っても周囲の人に同調して同じ行動をする傾向があるので危険です。

投資詐欺やマルチ商法で、いかにも怪しげなのに、「こんなに多くの人が儲けている」などと強調されると、社会的証明の法則の落とし穴にはまってしまうことがあるのです。

対策は、まず「他人と異なる行動をすることをおそれない」こと。さらに「疑ってかかる」クセをつけること。「大勢の人が儲けている」というデータを示されたとしても、それ自体が捏造されたのかもしれません。「みんながやっています」「こんなに多くの人が評価してくれました」などと言われたら、「私は人と違う価値観をもっているから」などと言い返しましょう。

「この人は変わっているから、いつものやりかたは通用しない」と相手に思わせれば、無理に売りつけてくることもないはずです。





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