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「言葉」で相手を誘導する高等戦術U(4記事)





高等誘導術「誤前提暗示」と「系列位置効果」


不意打ちで混乱させてから、「誤前提暗示」で誘導し、誘導したいほうを後出しにして、「系列位置効果(新近効果)」を狙うというものです。

★ 不意打ちとのミックスで効果が倍増する誤前提暗示


非常に単純な戦術なのですが、相手につい「YES」と言わせるのに効果的なのが「不意打ち」です。終業間際に帰り支度をしていたところに、突然上司から「この資料に目を通して、明日の夜までに要点をまとめておいてくれ!」と命令されて、思わず「はい、わかりました」と承諾してしまうようなケースです。

このように不意打ちで頼みごとをされると、一瞬思考停止に陥ってしまい、たいていの場合は承諾してしまうのです。特にこちらが優位に立てる状況であれば、不意打ちの効果が大です。

この不意打ちとミックスさせて使うと効果的なのが、「誤前提暗示」と呼ばれるテクニックです。二者択一の質問により、相手を都合のいいように誘導できる方法です。たとえば、こんな会話が参考になるでしょう。

男「もう、終電がなくなるね・・・。今夜は泊まりでいいんだよね?」
女(虚をつかれて)「えっ、もうそんな時間・・・。どうしようかな」
男「じゃ、ネットカフェにでも行って夜明かしする?それともオレの家なら、ここから歩いて行けるよ。来るかい?」

★ 不意をついて相手が混乱状態のうちに二者択一で誘導する

このような流れで、結局女性は男性の家に行くことになったようです。この場合、「泊まりでいいんだよね」という最初の不意打ちに加えて、「夜明かしする」という前提のもとに「ネットカフェか、オレの家か」という二者択一を迫っているのがポイントです。

「泊まるしかない」という前提を強引に与えて、不意をつかれた彼女が混乱状態にあるうちに、二者択一で選ばせているのです。本来なら、「本当に終電に間に合わないかどうか」を最初に確認すべきところを、彼女はカレの巧みな言葉の流れにまんまと誘導されてしまっています。

★ 後のフレーズが印象深くなる「系列位置効果(新近効果)」でダメ押し

実はこの会話には、もうひとつの心理テクニックが使われています。「系列位置効果」(そのうちの新近効果)というもので、後に言われたフレーズのほうが人の記憶に強調されて印象に残りやすいという心理を利用しています。「ネットカフェ」より「オレの家」を後出しにしているのは、この効果を狙ったものです。

もし、彼が逆のパターンで、「オレの家ならここから歩いて行けるよ。それとも、ネットカフェにでも行って夜明かしする?」と言っていたら、彼女はどうしたでしょうか?ネットカフェを選んだかもしれません。つまり、系列位置効果(新近効果)を使えば、自分の誘導したいほうを後に言うことで、相手を、都合よく誘導することが可能になるのです。

たとえば、「山田君はすごい秀才だけど、ケチなんだ」と、「山田君はケチだけど、すごい秀才なんだ」では、後者のほうが山田君の印象がずっといいはずです。このようにちょっとした言い方ひとつで、相手の受け取る印象はかなり異なるため、心理テクニックを活用する意味が大いにあるわけです。


負けを認めない頑固者には「第三者批判」


「第三者」の形を借りることで、頑固な相手を説得することで、熱くなっている相手をクールダウンさせるにも効果大です。

★ 説得を拒む人も第三者に置き換えられると認めやすい


負けず嫌いな人などは、他人に説得されることでプライドが傷つくことを恐れ、なかなか他人の意見を受け入れないときがあります。理屈ではこちらのほうが正しいとわかっていても、このようなタイプは意地を張り通すので手強いのです。

そんな頑固な人を説得するには、正攻法では難しいので、変化球的なテクニックが有効です。理詰めで「あなたの言っていることは、○○だから間違っています」と言ったところで、相手は負けを認めるのが悔しい訳です。そこで、会話の中に審判役としての「第三者」を登場させましょう。

「僕の意見は言いました。あなたの言い分も聞きました。あなたは納得していないようだけど、じゃあ、この状況を第三者ならどう見るでしょうね?」と相手に想像させるのです。それまで一対一の関係で対峙していた状況から、相手の視点をずらし、このようにたたみかけるのです。「第三者なら、おそらくこう言うでしょうね。『あなたの意見は間違っている』と」。

実は、第三者といっても自分を置き換えただけなのですが、相手は「あなたに屈したのではなく、第三者に説得された」という気持ちになり、負けを認めやすくなるのです。

第三者の形を借りて批判することから「第三者批判」と呼ばれるテクニックですが、熱くなっている相手をクールダウンさせる効果があるので、試してみてください。



多数派になびく「同調性思考」を巧みに利用


常識外のことも大勢で口裏を合わせると、人は多数派に流されやすいので、ウソでも「もはや常識です」と押し通すことで、相手を誘導するテクニックがある。

★ 自分の認識と違っても、周囲の人につい合わせてしまう

「社会的証明の法則」として、世間で評価されているようなものや人物を評価してしまう人の心理がありますが、実は社会的に認知されていることばかりでなく、自分の目の前で大勢が一致した意見を述べると、自分の認識とかけ離れていることでも、人はつい同調してしまうのです。これを「同調性思考」と呼びます。

ある実験で、10人にAとBの2本の直線を見せ、どちらが長いかを答えさせました。実際はAのほうが長いのに、目の前の9人(実は実験で用意されたサクラ)が「Bが長い」と答えると、残った一人も「Bが長い」と答えたのです。同調性思考には人の認識を変えてしまうほどの強い効果があることが証明されました。

この、多数派に合わせれば安心するという心理を逆手にとって、自分の意見を押し通すことも可能です。

たとえば、「もはや常識かと思いますが、○○なのです」とか、「皆さんもすでにご承知の通り、この点は○○です」といった前フリを入れると、本当は○○が常識でも周知の事実ではないことでも、「○○を知らなかった自分が恥ずかしい」と思い込んでしまうのです。つまり、自分にとって都合のいいほうに誘導するには、「こんなことは知っていて当然」というフレーズを使うことにより、相手に自分の望む意見をすり込むことが容易になります。


ソクラテスが使った「対話式説得法」


★ 質問を繰り返して都合のいいほうに誘導

古代ギリシャの哲学者であるソクラテスは、対話による独特の説得テクニックを使い、相手を論破していました。カレは質問を繰り返しながら、巧妙に自分の意図する結論に相手を追い込んだのです。この「対話式説得法」による質問は、自分の都合のいいほうに答えを誘導できるように設定するのが特徴です。

興味ある人は、専門書を読むことをオススメしますが、ここではソクラテスの技法をわかりやすく説明しましょう。ファッションショップの店員が使うセールスのテクニックを例にします。ジャケットを手にしている客に、こう声をかけます。

★ ショップ店員の巧みなセールストークに学ぶ

店員 「今日は、ジャケットをお探しですか?」
客 「うん、まあね・・・」(手に取っているので認めざるを得ない)
店員 「そのネイビーは新色なんですよ。黒もあるのですが、お客様はどちらがお好みですか?」
客 「う〜ん、黒よりはネイビーかな」
店員 「そうですね。今はネイビーのほうが人気なんですよ。どうぞ試着してみてください」客(袖を通す)
店員 「よくお似合いです。ただ、こちらは定番モデルで、同じラインでリーズナブルな新作も出ているんですが、そちらのほうがよろしいですか?」
客 「そうだね、安いほうがいいかな」(新作に袖を通す)
店員 「やはり、こちらのほうがお得ですからね。ところで、今はキャンペーン中で現金払いの方には特典があるんですよ。それともカード払いになさいますか?」
客 「・・・・いや、今回はカード払いするよ」

この店員のセールストークが巧みなのは、「黒かネイビーか」「定番モデルか新作か」「現金払いかカード払いか」という二者択一の質問を繰り返していることです。客にすれば、「買うか買わないか」という最大のポイントが抜けている点に注目してください。

★ 相手が回答をせざるを得ないような質問を繰り返す

このスタイルこそ、ソクラテスが使った対話式説得法と同様のテクニックなのです。相手がこちらの思惑通りに回答せざるを得ないような質問を繰り返すことにより、自分の望む方向に相手を徐々に誘導していくのです。

高度なテクニックだはありますが、訓練すればうまく使えるようになります。二択形式が難しいなら、次のような方法もあります。まず相手の過去の発言を持ち出して「あなたは、以前××になったら、○○すると言いましたね」→「そうだ」→「現在の状況は××だと思うんですよ。違いますか?」→「いや、その通りだ」→「では、今こそ○○すべきでしょう。それとも発言を撤回されますか?」→「いや、○○しよう」。

このような三段論法的な流れでも、相手を誘導できます。このテクニックは法廷でよく使われ、裁判を傍聴すると検事が被告人を追い込む時などに見られるはずです。裁判から学ぶのもオススメです。





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