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恩に着せるおごり方


一文の得にもならないのに、人におごるのはつまらないでしょう。自腹を切るときは、十分に恩に着せておくことです。跡で見返りを得られる可能性が高くなります。

後輩と食事に行くとか、友人の誕生日だとか、誰かにおごらなければならないシチュエーションはそうそう避けては通れません。世の中には、やたらとおごるのが好きな人もいますが、そんなことでは相手もありがたみを感じなくなります。自分の懐を痛めるからには、きっちりと恩に着せて、おごり損にしてはなりません。



★やり方はいたって簡単です。相手の目の前で、現金で会計すれば言いだけです。

最近ではカードで会計を済ませる人も多いし、たしかにカードでの支払いはスマートです。ですが、
人におごる場合は、絶対にゲンナマを間近で拝ませるに限ります。

カードで支払ったからといって金額か減るわけではありませんが、なぜか人間というものは、カードで出すよりも、現金で支払った姿を見せたほうが、ありがたいと感じるものです。現金のやり取りのほうが、強い印象が残り、さらに効果がアップするのです。そのために、支払いはレジではなくテーブルで済ませることです。席についたまま、財布から、さりげなく、かつうやうやしく金を取り出し、店員に渡す。

間違っても、自分だけレジに行き、こっそり全額を払って、後で、「今日はいいよ」などと格好をつけてはダメです。その場では感謝されるかもしれませんが、それだけです。何の得にもなりません。

同じ理屈で言えば、妻に生活費を渡す際も、できるだけ現金の威力を利用すべきです。サラリーマンの給料は大半が銀行振り込みですが、それなら現金をおろして渡すぐらいにしたほうがいいでしょう。

昔のサラリーマンは、会社から手渡された給料を、妻に直接現金で渡していました。
この「渡す」という行為が、世帯主あるいは家長としての権力と、尊敬されるべき地位を暗黙のうちに形成していたのです。

それが銀行振り込みになったものですから、妻に給料のすべての支配権を奪われる羽目になったのです。銀行に行けば金が入っているわけですから、誰が稼いでいるのかすら、あいまいな状態に陥ってしまったのです。

稼いだ人間には、敬意を受ける当然の権利があります。生活費だけを現金でおろしてきて、
「これで今月はよろしく」
と手渡すといいのです。

それで妻は「夫が稼いでくれた」ということを強く実感します。金を渡してくれる相手を、邪険にする人間はいません。報いようと努めます。わざわざ銀行まで足を運ぶ甲斐もあるというものです。





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