■暗い場所では、異性への心のガードがゆるくなる

会社の親睦会などで、海へ出かけ泊りがけのキャンプをすることがありますね。行く前は面倒に思っていても、行ってみるとけっこう楽しく、メンバー同士の親近感が深まったりするものです。

これは、みんなで食事を作ったり、遊んだりといった共同作業をすることも影響していますが、もうひとつ、暗闇のなかでいっしょに過ごすという体験とも関係があるようです。

暗闇のなかで一定の時間をともに過ごした者同士は、たがいに親近感を抱きやすい傾向があります。

これは、次のような実験で証明されています。

アメリカのガーゲンが行ったもので、3ｍ×3.6ｍという狭い部屋を用意し、ここに男3人、女3人のグループ、あるいは男4人、女4人のグループに入ってもらい、彼らを1時間閉じ込めたのです。

このときに使った部屋は、明るい部屋と暗い部屋の2種類があり、部屋の明るさによって、閉じ込められた男女の行動にどのような違いが出るかを観察した。

結果は、暗い部屋に閉じ込められた男女のほうが、はるかに親密度の高い行動を取ったようです。

明るい部屋に閉じ込められた男女は、お互いに離れた場所に座ったままで、会話の内容も距離のあるものだった。

ところが、暗い部屋に閉じ込められた男女は、最初は離れたところにすわり、同性同士で話していたが、時間がたつにつれ、様子が変わり始めた。会話は減り、威勢同士がたがいに近い場所に座るようになった。やがて、異性同士で体を接触させ、相手に抱きつく人さえ出てきた。

暗闇のなかでは、相手がいまどんな表情をしているか分かりません。そのことが心理的なガードをゆるめ、相手に対する親近感をアップさせたと考えられます。
つまり、相手の警戒心を解き、より親しくなりたい場合は、表情が分かりにくい、暗い場所へいっしょに行くのが効果的なのです。

同じ飲むにしても、明るい居酒屋よりは、照明の暗いバーやスナックに行く。

明るい場所で話をするより、グンと心理的距離が近づくはずです。

あるいは、夜の公園内を散歩しながらデートしているなら、できるだけ照明の少ない木陰に沿って歩いてみると、彼女がそっと体を寄せてくるかもしれませんよ。

女性のほうが彼に気があるなら、彼をできるだけ暗い道のほうへ誘導してみるのもいいかもしれません。