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人の心に訴えかける「端数の魔力」について知っておこう


家電量販店の商品価格で、1万円、3万円といった区切りのいい数字は、まず見かけません。「9800円」「1万2800円」といった具合に、かならず端数がついています。

これは、1万円というより、9800円と桁をひとつ下げたほうが安く見えること、もうひとつは、端数の持つ心理的効果を狙ってのことです。

「1万円」と書くと、「単純にキリがいいから、その値段にしたんでしょ」と、お客さんに思われてしまいます。それが「9800円」にすると、「少しでも安く、ギリギリいっぱいまでサービスしています」という印象を与えやすくなります。


また、同じような理屈で、1万円の商品を「もっと安くならないの」といわれたときには、「じゃあ9000円」と答えるよりも、「9200円」と言ったほうが、お客は無理を聞いてもらっているような気になるのです。その端数に何らかの意味があるだろうと感じるからです。

会議などの時間を決めるときにも、端数が心理効果を上げることがあります。

たとえば、「会議を3時から始めます」といっても、なかなか3時に集まりにくいものです。

「3時」というキリのいい時間にすると、3時ジャストにそれほどの意味はなく、そのあたりの時間に行けばいいという心理が、参加者に働きやすいのです。



そこで、人によっては、2時55分に来たり、3時5分に来たりします。

あるいは、全員3時に来たとしても、自分の席に着いたり、書類を出したりするうちに、5分くらいはすぐにたってしまいます。

3時ちょうどからはじめるはずが、けっきょく開始時間は3時5分といったことになってしまいます。そしてそのことに、誰も疑問を覚えません。

これが、「2時55分から始めます」「3時7分から始めます」というと、参加者たちの緊張感はまるで違ってきます。

「55分」とか「7分」という端数をつけられることで、その数字に重要な意味があるように思えてくるのです。


「その時間にきちんと集まらなければ、何か都合の悪いことがあるかもしれない」「7分までははじめられない理由があるのだろうか」など、その意味をあれこれ考える参加者もいるでしょう。

いずれにせよ、その時間に開始しなければならないという切迫感が生まれ、時間を守ろうという意識が強まるのです。




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